以前から金融業界に給与/報酬体制について疑問をもっていたが、
この金融危機を発端に、業界の勢力図の変化とともに、
給料体系などが見直されるだろう。
高額な給料を稼ぎ出す金融業界の人達のために
税金を投入するのは、アメリカの一般の人が許さないだろう。
投入するからには、彼らが納得する体制にするべきだと思う。
そのきかっけとして、日本のバンクが、
米の証券大手の筆頭株主になったことがあげられる。
いずれ日本企業の給与体系にとって変わられる日がくるかもしれない。
以下は、bloomberg社のコラム記事です。
【コラム】失業しなかったバンカーら、今日からあなたは公務員―リン
【コラムニスト:Matthew Lynn】
10月15日(ブルームバーグ):信用危機の最後の一幕と思われる今日この
ごろ、1つ、はっきりしてきたことがある。世界の大手金融機関の多くが最終的
に政府の手に落ちるということだ。
先頭を切って進んでいるのは英国。英政府は今週、同国の銀行ロイヤル・バ
ンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)とHBOSを支える代わりに
議決権過半数を握った。政府は既に要求を出し始めている。取締役会に席を得
ることや幹部報酬を決定する権利などだ。
他の諸国もこれに追随する公算が高い。ドイツ政府は同国の銀行救済案をま
とめた。メルケル独首相は、バンカーの報酬には見直しが必要と発言している。
米国ですら、政府がシティグループやゴールドマン・サックス・グループなどの
金融機関に直接出資することを表明した。
バンカーらは事実上、公務員になるわけだ。業界のカルチャーは大々的に変
わる必要があるだろう。金融業界は一瞬のうちに、騒々しくて先取の気性に富み
攻撃的な業界から、退屈で安全、保守的な業界に変身しなければならない。
このためには、バンカーたちの頭の中身を完全に入れ替える必要があるだろ
う。何世代ものバンカーらが当然視してきたものはすべて忘れよう。ルールは書
き換えられた。
まず表面的なことからだ。1日24時間労働、死ぬほど働いた末に派手に遊
ぶカルチャーにはお別れだ。規則正しい9時-5時の勤務と3時のお茶がこれに
取って代わる。会議とその議事録を正確に取ることが最重要の仕事になる。セ
クシュアルハラスメント防止担当社員は冗談の種にしてよい相手ではなく、各部
署で最も大きな権限を持つ人物になる。顧客をストリップ劇場に連れて行くなど
に至っては論外中の論外だ。
まずここを改めよ.
冗談は別にして、公的資金注入を受けた金融機関は、存続の正当性を証明す
るために本格的な自己改革が必要だ。出発点として次の4つを考えよう。
ボーナス:株式で支給するとか、透明性を高めるとか、中途半端な議論はや
めよう。完全になくすのだ。RBSのCEOを退任するフレッド・グッドウィ
ン氏は昨年、同行が政府による「恩赦」へと近づきつつあるなかで、自身の報
酬を400万ポンド(約7億1200万円)余りに増やした。同行のトレーダーの多
くも同様の手厚い処遇を受けたことは疑いがない。
破たんの恐れのない公的機関で働いている人間は、平凡な中流の報酬しか期
待できない、市役所などで働いた場合程度の月給を考えれば想像がつくだろう。
「大衆」はそれ以上の報酬を許さない。バンカーは生活費を従来の約5分の1
に切り詰める必要がある。
議会答弁の練習を
融資姿勢:責任ある融資が求められる。大型のM&A(企業の合併・買収)
やレバレッジド・バイアウト(LBO)にカネを出すことは今後は認められない。
買収後に店舗や工場閉鎖が行なわれるようなケースではなおさらだ。LBOの対
象になった英国の台所用品チェーン、MFIリテールは破産の寸前まで追い詰め
られ結局、経営陣が買い取った。破産しそうになるほどの額を企業に貸し付ける
ことはもう許されない。バンカーはすべての案件について自問しなければならな
い。「議会で説明できるだろうか」と。説明できないような案件はやめることだ。
貯蓄:貯蓄を促そう。銀行は住宅ローンやクレジットカード・ローンでいと
もたやすくカネをまき散らしてきた。英政府統計局(ONS)によれば、同国の
貯蓄率は今年1-3月期に1.1%という惨状に落ち込んだ。所得の1%以上を貯
金する人が多いことを考えると、所得よりも多くの支出をしている人が大勢いる
に違いない。
銀行はこのような事態について責任を回避することはもはやできない。無責
任な借り手の後ろには必ず、無責任な貸し手がいる。アルコール依存症の患者
に酒を出すことでバーが罪に問われるなら、買い物依存症患者にクレジットカー
ドを発行する銀行も罪人だ。残高のお知らせに必ずクレジットカードのお誘いを
同封するのはやめなければならない。カードを発行する前に審査し、用途や返済
方法を十分に確認する必要がある。
灰色のビルに
謙虚な態度:最後に、バンカーは謙虚な態度を学ばなければならない。宇宙
の支配者のような顔をしてふんぞりかえる日々は終わりだ。例えば、RBSはエ
ディンバラ空港近くの新本社ビルに3億5000万ポンドをかけた。最初にするべ
きことは、これを売りに出すことだろう。
ガラス張りの高層ビルを出て、町のもっと地味な地域の灰色の古いビルに
移ろう。音楽祭のスポンサーになるのも、テニスの全英オープンやF1レース
の入場券を手に入れるのもやめだ。まるで葬儀屋のように、まじめで沈んだ雰囲
気を第一に考えなければならない。
バンカーたちは無節制と浪費、ぜいたくに慣れ切っている。質素な公務員の
生き方に慣れるのは苦労だろう。慣れることができない人もいるかもしれない。
おあいにくだが、ここは新しい別世界だ。慣れるしかない。
(マシュー・リン)(リン氏は、ブルームバーグ・ニュースのコラムニストです。このコラムの
内容は同氏自身の見解です)
原題:Bankers Find Their New Calling as Civil Servants: Matthew Lynn
(抜粋) {NXTW NSN K8QG1707SXKX <GO>}--Editors: David Henry, James Greiff.
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